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Eternally

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女王達の輪舞曲<ロンド>*0-2*

Categoryオリジナル連載小説「女王達の輪舞曲<ロンド>」
千歳は声を掛けた女子生徒と、彼女の取巻き達数人から無視されるようになったのは、入学式から数日後の事だった。

どうやら彼女―高城愛は昔千歳が叔母一家の下で暮らしていた時から千歳の事を知っていたようで、従兄弟に性的ないたずらをされた事を周囲にばらされたくなければわたしに従え、という思いで、愛は千歳の昔の名を呼んだらしい。

だが、千歳がそれを拒絶したので、愛は千歳を服従させるよりも、彼女を苛める事を選んだ。

苛めといっても、無視や私物や教科書を隠したりする程度の、低レベルなものだったので、千歳は余り動じなかった。

千歳は成績が愛よりも優秀だったし、教師達からはクラス委員として頼りにされていたので、愛のいじめは徐々になくなっていった。

「ただいま。」
「お帰り、学校はどうだった?」
「何も変わっていないわ。それよりも、うちのクラスに高城愛っていう子が居るんだけれど、その子、昔のわたしの事を知っているみたいなの。」
「ふぅん、世間ってのは案外狭いもんだね。千歳、済まないけれど今日はお店を手伝ってくれないかい?今日来る予定だった子が熱を出して急に休むって連絡がさっきあってさ。」
「わかったわ。」
弓子のスナックをこれまで何度か手伝った事がある千歳は、その日の夜常連客達と談笑したり、彼らが好きな酒を注いだり、彼らとカラオケをしたりして楽しんだ。
「千歳、あんた将来の夢はあるの?」
「まぁね。死んだママがデザイナーだったの。ママが作っているドレスやお洋服はとても素敵で、まるで童話の中に出て来るお姫様が着るようなものばかりだったわ。いつかわたしも、ママが作った素敵なお洋服をデザイン出来たらなぁって思ったの。」
「いいんじゃないの、あんたがデザイナーになるの。服のセンスがいいし、お裁縫の腕だって見事だし・・夢を叶える為ならとことんやりなさい。あたし、あんたの為ならいくらだってお金は惜しまないわよ。」
「有難う、弓子さん。」
「嫌だぁ、そんなよそよしい呼び方は止めて、ママって呼んでもいいのよ?」
「ごめんなさい、ママ。」
「そういや、今度の水曜だっけ、授業参観日。あたし、おしゃれして行くから、楽しみにしていてね。」
「うん、ママ!」
水曜日の授業参観日に現われた弓子は、ハイブランドで着飾っている生徒達の母親よりもひときわ美しく、輝いて見えた。
「あの着物姿の人が、あなたの新しいお母さんなの?」
「ええ、そうよ。それがどうかしたの、高城さん?わたしのママの事がそんなに気になる訳?」
「気になるに決まっているじゃない。だってあなたの新しいお母さん、水商売の人なんでしょう?由緒正しきこの学校の保護者としては、相応しくないんじゃないかしら?」
「わたしは職業の貴賤云々でその人自身を勝手に判断するあなたの方が、この学校の生徒として相応しくないと思うんだけれど、高城さん?」

愛の顔が怒りで赤く染まるのを見て満足した千歳は、そのまま彼女に背を向けて弓子と共に学校を後にした。

「へぇ、その高城愛って子、そんな事をあんたに言ってきたんだ?」
「凄く腹が立って、はっきりと言いたいことを言ってやったわ。彼女に嫌われたって構うものですか。」
「あんたは強いわね、千歳。そういう気の強さは、あんたの母さんに似たんだろうね。」
「そうね。ママも、嫌な事は嫌だとはっきり言う性格だったもの。」

千歳はそう言うと、味噌ラーメンを美味しそうに啜った。

翌日、千歳が登校すると、クラスメイト達がじっと彼女の方を見ながら何かを話していたが、彼女が教室に入るとたちまちその話し声がピタッと止んだ。

(クラス全員でわたしを無視か・・相変わらず下らない事をするのね、高城さん。)


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