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Eternally

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その花の名は。第2話

Category火宵の月オメガバース小説「その花の名は。」
「火宵の月」オメガバースパラレルです。

詳しい設定についてはコチラのページをご覧ください。

苦手な方はご注意ください。

何でも許せる方のみ、追記ページをお開きになってください。


「すいません、ここで降ります。」
有匡の運転する車が市街地を抜け、閑静な住宅街に入っていくと、火月はそう言ってシートベルトを外した。
「家までまだ距離があるだろう?」
「そうですけど、余り男の人と一緒に居るところを家族に見られたくないんです・・」
火月は何か複雑な事情を抱えているらしく、それだけ言うと俯いてしまった。
「男に襲われた時、何故抵抗しなかった?」
「僕はΩで、男を誘うフェロモンを出しているから、男に襲われて当然だと思って・・無駄に抵抗するよりは、嵐が過ぎ去るのを待った方がいいと・・」
「馬鹿な事を!」
Ωはエリート階級に属しているαと比べ、αを誘うフェロモンを発するΩは、長年“劣等品種”とされ、謂れのない迫害と差別を受けてきた時代があった。
Ωの発情を抑える抑制剤や、バース性に対する差別撤廃運動、そしてバース性に対しての法整備が進みつつある現代に於いても、未だにΩに対する差別は根強く残っている。
それ故にαの男性によるΩ男性、女性へのレイプなどが頻発し、その結果違法な堕胎手術により命を落とすΩが少なくはない。
Ωは種の繁殖に適するものと思われている為、その社会的地位は低く、妊婦が出生前判断で腹の胎児がΩである事がわかると中絶し、また生まれて来た子供がΩである事を理由に殺害し、遺棄したりする事件も後を絶たず、社会問題となっている。
しかし一番問題なのが、Ωとして生まれた者の自己肯定感が低い事だった。
「あの時、もしわたしがお前を助けていなかったら、お前はあの男に犯されていたんだぞ?それなのに、お前はそれを当たり前だと思っているのか?」
「先生にはわからないんです、Ωとして生まれてきた僕の苦しみが!僕だって好きでΩに生まれてきた訳じゃないのに・・」
「済まん、言い過ぎた。」
有匡は顔を両手で覆って泣く火月の背中を優しく擦った。
「すいません、取り乱してしまって・・」
「あんな事は、いつもあるのか?」
「いいえ。僕がフリーのΩで、油断していたから襲われてしまったんです。」
「番は居るのか?番を持てば、発情フェロモンが抑えられると噂に聞いたが?」
「番は持っていません。強い抑制剤をいつも服用しているので、今日も大丈夫だと思っていたんですが、襲われるなんて思いもしませんでした。」
「あの男は学校関係者じゃないな。今日の事を学校に報告して、警備を強化して貰うようにしよう。」
「でも、そんな事をしたら迷惑を掛けます。」
「生徒の身の安全を守るのが教師の役目だろう?」
「それはαやβの生徒に対してだけでしょう?Ωの生徒を守る学校なんてありません。」
「火月、お前・・」
「送ってくださって有難うございました、さようなら先生。」

有匡が止める間もなく、火月は車の助手席から降りて住宅街の中へと消えていった。

(少し言い過ぎたかな・・)

火月はそんな事を思いながら溜息を吐くと、一軒の家の前に立った。

そこは、自分と同じ境遇で育った者達が共同生活を送るシェアハウスだった。
火月が玄関先のインターフォンを鳴らすと、玄関先に黒髪紅眼の少女が現れた。
「火月、お帰り。帰りが遅かったから、また襲われたんじゃないかって心配していたんだよ?」
「ごめん、禍蛇(かだ)。心配かけちゃって・・」
「謝らないで。ご飯もう出来てるから、配膳手伝って。」
「うん、わかった。」

火月は黒髪の少女と共に家の中へと入った。


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